包丁の研ぎ方
包丁は毎日使っているうちに刃先が磨耗して、どんどん切れにくくなっていきます。特にプラスチック製のまな板を使用していると、木のまな板を使うよりもさらに包丁の刃先が磨耗しやすく、切れ味もすぐ悪くなります。包丁は少なくとも、月に数回研いでください。研ぐことによって、本来の能力を発揮させることができます。また、実際にお使いになる際も、満足感を味わっていただけるはずです。
砥石の種類
包丁を研ぐためには、まず砥石が必要です。砥石には、天然砥石と人工砥石があります。天然砥石は軟らかすぎず硬すぎないものをお選びください。砥石は比較的減りやすいものがよく、使い減りしにくい砥石は、包丁の刃がつきにくいようです。砥石は質と目的によって、次の三丁を揃えるのが理想的です。
- 荒砥石(堺刀司赤箱)
- 切れなくなった刃物や、少し欠けた包丁を研ぐとき
- 中砥石(堺刀司緑箱)
- よく切れるようにするとき
- 仕上砥石(堺刀司青箱)
- 最後に仕上げをするとき
砥石を遣う時の注意事項
砥石を使う時は、次のことにご注意ください。
砥石の表面は、いつも凹凸のない状態にしておきましょう。
砥石は、使っているうちに、まん中が弓のようにへこんできます。それを無理に使いますと、せっかく研いでもかえって切れなくなることがあります。使う前に砥石のA面とB面を平らで細かいコンクリートとこすり合わせるなどして、かならず表面を平らにしておきます。そして、砥石の表面を平らにする気持ちで、包丁を研いでください。図のA点からB点までゆっくりと平均に研ぐように心がけましょう。
包丁を研いでいくと、砥石の表面にネバネバした砥どろが出ます。この砥どろは、包丁をうまく研ぎおろして鋭利な刃付けをするために必要です。水で砥どろを洗い流したりせず、砥どろの上に水を少しづつ加えながら、研いでください。
包丁の基本的な研ぎ方

- 砥石を水につけ、気泡が出なくなるまで、十分に水を含ませておきます。
- 砥石がすべらないように、砥石の下にぬれふきんを敷きます。そして砥石の手前に3センチくらいの厚みの枕を入れ、手元をやや高くして、表面を傾斜させます。
- 図のb点からa点へむけて、力を加えて包丁を動かします。
- a点からb点に返るときは、少し力を抜いて研ぎます。この要領で包丁を往復させます。あまり力を加えず、普通の圧力で左指三本ぐらいで包丁を押さえて、包丁の先から根元にかけて、徐々に移動させながら動かします。包丁とともに、押さえている指先も徐々に移動させます。表側を研いだら、裏側も同じようなやり方で、軽く研ぎます。上手に研ぐコツは、静かにゆっくり平均に動かすこと。ピッチング(縦ゆれ)やローリング(横ゆれ)させないようにします。
片刃包丁を研ぐ
下記のやり方を基本に、片刃包丁の研ぎ方をご説明します。ふだんのお手入れは中砥石を使います。

- 刃先と砥石の角度を、15度から20度に保ち、包丁の表側(ウ面)の刃先(エ点)を砥石にあてて研いでください。表側(ウ面)90回、裏側(イ面)10回の割合で研いでください。
- 研いでいるうちに、表側(ウ面)がだんだん薄くなり、刃先(エ点)にかえり刃が出て、裏側(イ面)に向かって少しそりができます。そのとき、裏側(イ面)を砥石の表面にねかせて、軽く動かして研ぐと、かえり刃がとれ、刃先(エ点)が鋭くなり、よく切れる刃付けができあがります。
- 最後に仕上砥石で、表側(ウ面)と裏側(イ面)を数回研ぎあげますと、いっそう鋭利な包丁に仕上がります。
包丁の表側(ウ面)は片刃、両刃とも下の図のようになっています。しのぎ(オ点)と刃先(エ点)を結ぶ線は曲線で、はまぐりのようなカーブで刃付をしていることから、蛤刃と呼ばれます。
これは包丁をかけにくくするため、曲線をもたせて刃付をしているのです。出刃包丁はこの蛤刃を生かすように、研いでください。刺身包丁は、しのぎ(オ点)と刃先(エ点)を一直線で結んだような刃付をするとよく切れます。ただし刃かけしやすいので、ご使用時は十分注意してください。
両刃包丁を研ぐ
刃先と砥石の角度を保ち、片面を50回、もう片面を50回の割合で研いでください(図のウ面にあたる部分です)。なお、ステンレス包丁も、両刃包丁と同じ方法で研いでください。


